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極め付きのスウェット超マニアック・シュミレーション!最新ヴィンテージスウェット素材流行事情。

もし、あなたがファッションブランドを立ち上げ、スウェットのオリジナル製品を生地から作るぜ!と思い立った場合、どんな結末が待っているかをシュミレーションしてみました。作りたい物はアメリカ製50年代の両Vスウェット(杢糸)とします。ではスタート!あなたはまず、和歌山のニッター(編み立て工場)に生地作製依頼をするべく、中間業者である本所(日本橋)界隈の〇〇莫大小(これでメリヤスと読みます)にて、古着持参での商談を始めます。あなたは担当者に作りたいスウェット生地についての思いを熱く語ります。ここで運命が決まる最初の二択となります。
選択肢A・・・ヴィンテージ狙いならやはり旧式な吊り編み機での吊り裏毛コース。
選択肢B・・・色々細かな表現が可能な新型のシンカー編み機を使うコース。
大体ヴィンテージと言った瞬間、手に持っている古着が丸胴であれば尚更Aコースをチョイスという流れにもっていかれるでしょう。次に生地の厚みを決める事になります。通常裏毛は3本の編み糸で構成されています。表糸、裏のループになる裏糸、それを繋ぐ中糸の3種です。糸には番手と呼ばれる太さがあり、あなたは古着を頼りに番手を決定します。定番的な設定は「さんとーの裏毛」と呼ばれ、表糸30番、裏糸10番から出来ています。あなたは更に肉厚な30・7番を選びました。数字が少ない程、糸は太くなります。続いて編み糸の色を決めます。あなたの持参古着は杢ですね。となると、実は国内の3社の紡績が作っている杢糸から選ぶしか選択肢がありません。あなたはここで愕然とします。これじゃ個性なんて出せないじん・・。編み機が古い故、ありがちな番手、選びがちな杢糸カラーの狭ーい選択肢の組み合わせとなる事に気付くのです。すかさず生地屋さんは耳元でささやきます。「だったらうちの在庫している生地で充分なんじゃないですか?リスクもないし。1反から買えますよ」そっか、結果が同じならそれも手だな・・そう考えたあなたはここでゲームオーバー。オリジナルプロジェクト終了です・・・。
いやいや、個性を出す奥の手は実はまだあるんです。表の杢糸の色は共通でも、3本の糸の組み合わせで編み立てるこの裏毛、例えば中糸、裏糸を表にちらつかせる等の機械のクセで雰囲気を作り出せるんです。実は和歌山の現存する吊り編み機には1台1台に個性があって、横スジが入るとか縦スジが入る等のクセがあるそうなんです。ニッターと人間関係がシッカリ出来ると初めてあなたは欲しい表情と機械のクセを利用した最高の組み合わせを設定して貰えるんです・・・。ヴィンテージの不思議な杢色っていろんな偶然で成り立っている事は意外と多いんですよねー。
写真の古着は、今は亡きフランス製PASTEUR社のデッドで今回ボクがベースにしている物です。実はコレ、裏毛ではありません。2本の糸で成り立つインレイという生地です。フランスやドイツでは結構多く、ユーロヴィンテージな裏毛は大抵インレイです。インレイでいくと写真の様に縦うねを走らせた様なヴィンテージ感が容易に表現出来ます。要はBコースの選択ですね。結構流行ってるんです。インレイを駆使したヴィンテージ表現が・・・。

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