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心を灯す照明DAZOR社デスクランプの関節美。

2000年前後に東京・目黒通りを震源に工業系ヴィンテージ家具の流行ってありましたよね?店舗内装やオシャレ事務所なんかに引っ張りだこでしたっけ。デザイナー物で話題だったのが何と言ってもコルビジェ直系、仏のジャン・プルーヴェ&シャルロット・ペリアンでしたよねー。ボクも90年代中頃、パリ・バスティーユにあるギャラリー「ジュス・セガン」の前を通りかかった時、たまたま扉が半開きで中が覗けたんです。すると中にいたマダムが『入っていいわよー』と夢の様なお言葉!!そのギャラリーはバスティーユによくある、元家具工房を改造した天窓付きの素敵な空間で、中はジャン・プルーヴェ&シャルロット・ペリアンのオリジナルで埋め尽くされていたのでした。腐りかけ、錆だらけの物は2階でスタンバイ、蘇った物は1階で一部屋ごとのモデルルームの様な展示がされており、最高の目の保養に。そして相当量がその後、日本に流れてきたんだろーなーなんて今となっては推測されます。まぁ、この2人のオリジナル家具なんて天文学プライスなので、その気分を味わいたい『削ぎ落しの美学』マニアの方々が、欧米の工場払い下げ家具、いわゆるインダストリアル系ヴィンテージに流れて行った訳です。更に北欧ヴィンテージなんかも加わってちょっと質素な銀閣寺的質感の家具・照明が日本では一大トレンドとなりました。そんな1998年、我がブランド SLOWGUN はスタートしたのでした。だいぶ遠回りしましたが、この様なインダストリアルブームの最中だったので必然的に我が社の照明は全て写真の DAZOR 社のデスクランプなってしまったのです。デザイン職で色を正確に見る場合、蛍光灯に軍配が上がるんですが、なかなかデスクランプで蛍光管の物って無いんですよね。ヨーロッパはほぼ全滅、英・仏のヴィンテージマーケットでは見た事すらありません。しかし、米 DAZOR 社のデスクランプにはあるんです!蛍光管2灯の最高にインダストリアルなデザインの逸品が!!今、スロウガンでは6本使っております。現行品もあるみたいですが、年季の入ったヴィンテージでも全くストレス無く使えますので止められないんですよね。一番のチャームポイントは関節部分が流線型なところかな??機能重視の骨太質感なのにそこだけ機能の無いデザインが突然挿入されてる感じにグッとくるんです。それと、この DAZOR 社の蛍光管デスクランプってベルギーのユダヤ人達のダイヤモンドマーケットの事務所で、鑑定したり、細かな作業する人たちも現役でヴィンテージを使ってるんですよね。オシャレとかじゃなくて機能が欲しくて。それを NHK のドキュメントで見て感動しました。やっぱり物を正しく見るのは蛍光管のほうが良くってわざわざヨーロッパに無いからアメリカからベルギーまで持って来てるんですよねー彼らも。歴史的にもこれしかない蛍光管のデスクランプってスゴくないですか??