僕は気軽に夏のファッションアイテムとして使ってしまっているけれど、このかごバッグというやつは、つくるのに極めて手間のかかるシロモノらしい。材料になる山葡萄のツルやくるみの木の樹皮などが自生しているのは、長野や東北の人里離れた熊が出るような山の中。こいつを命がけで採取した後は、2〜3年乾燥させて、ようやく編み始めることができるという。細かく編んでいるやつは2〜30万円くらいするけれど、それでも全然安いよね!? 実は件の「カバ」も、創業者が日本を旅した際に見つけたかごバッグが着想の源になっているとかいないとか・・・。
ちなみにテーラー「羊屋」のオーナーであり、私の尊敬する数寄者である西口太志さんが持っているぶどうのツル製のかごバッグは、なんと横幅60cmという超ビッグサイズ! 僕の生活においては大きすぎるけれど、そのド迫力にやられて僕もオーダーすることにした。完成の際はぜひ紹介させてほしい。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。