Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした情報や、Fit in Passport 会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

オシャレを仕上げる春夏の帽子英国製のエディターズ・ハット

もともと帽子をかぶり始めたのは、中学生の頃コンプレックスだった天パ隠しがきっかけだった。今はハゲ隠し・・・というわけでもないけれど、あまりに習慣化しているので、帽子がないと、どうも裸でいるような落ち着かない気分になってしまう。なんだかんだで、今所有しているのは30個くらいだろうか。エルメスのスエードキャップとか、シチリアの工房で買ったコッポラ帽など、いろいろ珍しいお気に入りもあるけれど、一番僕の顔にしっくりくるのが、ジェームスロックの「 VOYAGER 」というトリルビーハット。旅行のときにたためるように、ソフトにつくられているものだ。フェルト帽だけれど、7、8月を除くとほとんど一年中かぶっているような気がする。
本当はダンディな中折れ帽も大好きなのだけれど、編集者にとっては何かと不便なことも多い。なんだか立派そうに見えるし、室内で立ったまま偉い人に取材するときなんて、置く場所がなくて困ってしまう。他にもテーブルが小さな喫茶店、カウンターだけの飲み屋、エコノミークラスの機内etc.・・・。日本で中折れ帽ライフを満喫するには、いろいろとハードルが高いのだ。その点この帽子なら、旅行に便利なのはもちろん、取材のときはくるくる丸めて鞄やポケットに突っ込んでおけるし、小さな喫茶店だったらもはや尻に敷いたっていい。かぶると僕のモンゴリアンフェイスにもいい塩梅の陰影が演出できるし、カジュアルで気取らない雰囲気も、僕のファッションにぴったり合っているようだ。
というわけでここ6年ばかしそればかりかぶっていたら、いつの間にかボロボロになってしまった。汗や雨や脂が混じったシミはもう取れないし、あんまり使い倒すものだからトップの部分が破れてしまい、裏側にフェルトを当てている始末。一応「丸める」と謳ってはいてもやりすぎるとこうなるから、ぜひ気をつけていただきたい。
そろそろ買い換えなきゃと思いながらも、そこそこ高価なものだし、愛着も湧いてしまい手放せない。マナーだから食事やパーティのときは取らなきゃいけないのだけれど、本当はそんなときこそかぶっていたいのだ。