ハードボイルドな俺の花見は、グッズからしてハードなんだぜ。しっかり事前にリサーチ＆準備・ブルーシートで場所取りぃ〜！なんて絶対あり得ない。誰にも干渉されたくねえんだ。もちろん行くときゃ1人と決めている。荷物なんて無粋な物もごめんだね。昭和ハードボイルドの旗手・大藪春彦が描くスナイパー達は全ての装備を体のあちこちに仕込むんだ。あらゆる火器からナイフ、時にはハム・ソーセージまで出てくるんだぜ。俺もそれにあやかって今日は3つのアイテムを仕込んで来たんだ。じゃあここでお披露目するとしよう。まず、右のポッケからはこれ『 SOTO社製 REGULATOR STOVE 』要するに屋外用折りたたみ式五徳！。こいつの凄いところはカセットコンロのガス缶でイケるってとこ。花見ポイントの近くのコンビニで入手可能な燃料ってな訳よ。どうだ手ぶらだろ！ アウトドア専門店でしか入手できない燃料なんて俺たちプロからすればナンセンス。解るよな？ そして左のポッケから食材が2品、1つ目は『ノルウェー産 Stabburet社製サバのトマト煮の缶詰め』これを缶ごと五徳で直火さ。ワイルドだろ。これは俺の師匠に教わった大阪の伝説の立ち飲み屋で唯一のおつまみの提供法なんだ。その店ではポーランド産 KING OSCAR のオイルサーディンを缶ごと直火で温め、醤油＆レモンを数滴かけるのがお約束。どうだ男のつまみはこれで十分だろ？ さらに今日はこいつもあるぜ『イタリー産 Murgella社製スピッチコ・アフミカート』要するにモツァレラチーズの薫製さ。こいつも直火で炙ると食欲をそそる焦げチーズの香りと中から半溶けのモツァレラがドバッと出てくるんだ。たまんないぜ！ でもあわてて舌を火傷しないようにな。え？ じゃあ合わせて何を飲むのかって？ もちろんいつものこいつさ。肌寒さの残るこの時期の花見にはこの酒が最高なんだ。まず五徳にこのホーローマグカップを置く。そしてこいつ『天野屋の明神甘酒』を注ぎ込むのさ。生まれて此の方、酒と言ったら明神甘酒と決めている。リアルは決して口にしないよ。アイツを思い出したくないからな・・・。