前略、ガンジー諸島のおふくろ様。
おふくろ様、お元気ですか？ ボクはなんとか東京で頑張っています。もうじきブランドを立ち上げて20年です。初期の頃は手編みでパーツを作ってくれたり、ニットキャップを作ってくれたり、展示会サンプルだからと徹夜でなんとか間に合わせてもらったりと、日本のおふくろ様には苦労をかけっぱなしでしたね。ホントに申し訳なかったです。
以前、こんな質問をした事、憶えてますか？ ガンジー諸島のおふくろさん達が手編みしたセーターについて、どうしても不思議に思える事柄があって、きっと日本のおふくろ様ならガンジー諸島のおふくろさまの気持ちが判るんじゃないかと思って質問したアレだよ、憶えてる？ 日本もイギリスの北部のチャネル諸島も手法も道具も全く同じだもんね。では思い出してね。
質問(1) どうしてガンジーセーターには前下がりをつけないの？ Tシャツを見ると判るよね。ネックの部分って前側はぐーんと下がっているよね。だから喉にさわらないんだよ。でもガンジーセーターは後ろも前もないんだよね。そうすると喉に食い込んでくるんだよ。なんで我慢できるの？あのかゆさを。ただでさえチクチクする糸で編んだセーターがのど仏にグイグイくいこんだらお魚なんか捕れないんじゃないの？気になってさ。これに対する日本のおふくろの答え・・あれだけ複雑な柄を編める人が首回りの減らし目が出来ないはずがない、だからなんでだか判らない・・。謎だよね〜。
じゃあ次いくよ、質問(2) どうしてガンジーニットは編んでいて一番目が疲れる濃色の糸を使うの？ おふくろ様はよく愚痴ってたよね。年寄りに濃い色の糸なんか渡すんじゃないよ！ 白と黒とじゃ目の疲れが何倍も違うんだから！！ そうだよね、現代は白いフィッシャーマンセーターなんていくらでもあるけど、初期ガンジーは決まってネイビーや黒なんだよね。ガンジー諸島の羊って黒ばっかりなのかな？汚れが目立たない様になんてシロウト目には思うけどフィッシャーマンセーターは白いしね。わざわざ白い羊毛を編みにくい濃色染めして手編みだなんて、親不孝だよね。この濃色問題も日本のおふくろ様はギブアップでしたね。ホントに知りたかったらチャネル諸島まで行くしかないね。今度向こうのおふくろ達に聞いて来るよ。
じゃあ、また。