僕の知るとある業界人の方は、人からプレゼントを頂戴するときは「◯◯(超高級ブランド)の◯◯ヨロシク」と指定し、それ以外のものを贈ると激怒するらしい。その精神性は僕には到底理解できないけれど、意外とわかりやすくて持っていく側としては楽チンだな、と思ってもきた。そもそもこの業界の人々はこだわりも強いし、喜ばれないってことはつまり僕の選びが悪いということなのかもしれない。というわけで、最近のプレゼントといえば、もっぱら外しのない「消えモノ」である。
しかし最近ようやく〝鉄板〟を見つけたような気がする。それは僕がライカやローライフレックスで撮ってあげたポートレートである! お気に入りの一枚を「ラスタープリント」とか「クリスタルプリント」といったちょっといいプリントに出して、神保町やフィレンツェの額縁屋で額装してもらえば、誰もが喜ぶ最高のプレゼントが出来上がり。フィルム写真の場合はラボに現像に出して【フィルム1本1,000円+現像&ベタ焼き代2,000円+プリント1枚2,000円〜】といった具合にそこそこコストがかかるが、その仕上がりは格別。ゴツゴツしたバラ板紙に焼いたモノクロ写真は、そこらのラグジュアリーブランドの小物なんかよりも、ずっと「アガる」1枚だろう。
自分が撮った写真をモニターやベタ焼きでじっくり吟味していると、いつの間にかその人のことが好きになってくる。そんな気持ちが相手にも伝わるから、喜ばれるのかもしれないね。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。