というわけでこの3年、リネンスーツやステンカラーコートに合わせるという目的だけのために、いろいろなミニショルダーを買ってきた。ヴィトン×ネメスのアマゾン、格好いいけど目立ちすぎて恥ずかしかったな〜。グローブ・トロッターの9インチケース、カメラを入れたら肩がちぎれるほど重かったな〜。フェリージのメンプレ別注カメラバッグ、めちゃくちゃ売れたな〜。チェッキ・デ・ロッシのワイン染めケース、小さすぎて何にも入らなかったな〜。てな具合に、どれもこれもいいバッグだったが、この夏ついに決定版ともいえる名品に出合ってしまった。Amvaiでもトートバッグを紹介したフランスのブランド、モロー・パリのものである。
基本的にウィメンズの棚に置かれるものゆえ、どうしてもフェミニンに陥りがちなメゾン系のミニショルダーだが、こちらの場合はひと味違う。ど迫力の手縫いステッチやコバの仕上げに加えて、ブランドのルーツである木枠のトランクをミニチュアサイズにしたようなデザインだから、ヒストリカルで本格的・・・つまりチャラくないのだ。それでいてモダンでもあるから、僕のようにクラシックな格好に合わせてもコスプレっぽくならないのは嬉しい限り。しかも内装のど真ん中にポケットが付いているから期待していなかったけど、僕のライカMがなんとか入っちゃうじゃん! バッグ自体のサイズも軽量だから、実用的にも申し分ないよ、これ。
もうあまりに気に入りすぎて、メンズプレシャスの特集内でロンドンのイラストレーターMr.SLOWBOY氏に、自らの装いをイラスト化してもらったのだった。絵に描いたような公私混同ぶりだが、今回だけはご容赦いただきたい!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。