暑い日はドレスアップするのも難儀です。何故って、暑いから。今回のテーマ「夏の盛装」用に僕がチョイスしたのは F.lli Giacometti のダブルモンクストラップサンダル。昨秋にカスタムオーダーしたものが、つい先日手元に届いたばかり。ネイビーの Tejus (トカゲ)素材にダブルモンクという貴族的ディテールが、暑さのあまり、ついショーツを穿いてしまいがちな夏の足元に適度な緊張感を与えてくれます。で、夏のショーツ+サンダルスタイルといえば最近クラシック業界でも流行しているらしい「ミリタリー的ユニフォーム感+重衣料的エレガンス」=「コロニアルスタイル」。ゲーブル&ケリーの「モガンボ」や、アガサ・クリスティの「ナイルに死す」に見られるハイソサイエティのドレスアップスタイルinアフリカンリゾートです。ただし、4ポケットの上着にパナマ帽、グルカショーツ+レザーサンダルを全身ナチュラルカラーでまとめてしまうと、もはや探検隊コント。まずは素材・サイズ感でコスプレ脱却を目指します。E.Tautz のオーバーサイズサファリシャツ(ナイロン×ウール)や Andrea Pompilio の腰穿きショーツ(ナイロン×コットン)など、ルーズフィットなシャカシャカ素材でスポーツ&リラックスフィーリングをプラス。色目はあくまでもワイン×ネイビーのダークトーンでDressing in the dark。いや、意味違うし(笑)。とりあえずサファリ/コロニアルスタイルのナチュラルな配色や素材感をケミカルに置き換え、都会向けにアレンジしたイメージ。突然の雨に備えて、キッチュな紫色のビニ傘(250円)をプラス。Tejus は爬虫類の中でも比較的水に強いとされる素材。どしゃ降りは流石に無理でも多少の雨ならば、ソールもビブラムだし、もはや履いちゃいます。勿論、濡れすぎは禁物。艶が消えてしまうので。履く前に防水スプレーはしっかりと。なにはともあれ、ほとんど遭遇しないであろうシチュエーションに備えて思考を巡らせながら、アグレッシブなサファリルックをイメージするマインドゲームは暑かろうと寒かろうと、楽しいものです。都会のサファリに必要なのは好奇心や冒険心を持ち続けることです。
REVIEW
手元で馴染んだオーダー品
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
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買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
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90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
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80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。
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