そんな悩みを解決すべく、現在は「ベレー帽」+「少々色を入れたアイウエア」のコンビネーションによって、様々なシーンを乗り切っている。少々無作法かもしれないが、周囲から突っ込まれたときはこう答えるようにしている。「手塚治虫はパーティでもベレー帽を脱がないでしょ? (まあ本当は違うらしいが建前上)」もしくは「野坂昭如がパーティで大島渚を殴ったときもグラサンかけてたでしょ?」と。だから僕がベレー&サングラスで取材やパーティに赴くことは自由!
かつては色々なサングラスを買い漁っていたのだが、最近は50〜60年代のヴィンテージフレームを購入することがほとんどである。アメリカントラッドな気分のときには「タートオプティカル」のスクエア気味フレームを、30’sや80’sスタイルにはフランス製のラウンド気味フレームを、といった感じで使い分けている。それぞれ屋内でもギリギリ〝アリ〟なレベルの色を入れているのがポイントだ。先日フィレンツェの古着屋で80’sのサンローランのジャケットを購入したのだが、店主に「あとはラウンドフレームのサングラスがあれば最高だな」と言われたので、カバンから後者のフレームを出してかけてみせたところ、大いに褒められた。やはりドラマティックな服を着るなら、顔だって多少は釣り合いが取れていたほうがいい。吉川晃司がデビュー当時にサングラスをかけていなかったら、あれほどは売れていなかったはずだ。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。