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ギリギリのボトムス理想のチノパン

19の夏に『ブロードウェイと銃弾』でウディ・アレンという存在を知ってから、僕にとって2プリーツのチノパンはトラウマ・ワードローブ。パンツのトレンドがいかに変わろうとも、僕にとっては「見つけたら即手に入れなくてはならない」存在なのである。
それにしても2000年代半ばからは暗黒の時代であった。パンツのスリム化トレンドが進行するにつれ、かつては腐るほどあった2プリーツのチノは、市場から見事に姿を消してしまったのである。バリー・ブリッケンのようなセレクトショップが扱う専業ブランドはもちろん、ポール・スチュアート、ラルフ・ローレン、J.PRESS といった百貨店系トラッドブランドでも全滅。かろうじてブルックス・ブラザーズのマレーシア製チノを入手できたくらいだ。なにやってんだよアメリカ!
そして現在。今までの状況はなんだったの?と言いたくなるほどにプリーツ入りパンツが全盛を迎えている。BEAMS F あたりじゃもはや、ノープリーツは全く売れない、というほどだ。トラッドブランドにもそんな状況は影響しているみたいで、去年あたりからようやっとプリーツ入りチノが市場に復活しはじめた。昨冬はラルフローレンで売っていたのだけれど、惜しいっ! グルカ調のもので、少々格好よすぎたのだ。2プリーツは野暮ったさこそが命だからね・・・(ともあれ購入してしまったのだが)。どうやら僕の理想のチノをラルフがまた作ってくれるまでには、もうちょっとだけかかりそうだ。
しかしそれまでただ待っているわけにはいかない。今季は高円寺のミリタリーモノに強い古着屋「ミリタリア」で、フランス軍のヴィンテージものを手に入れた。恥ずかしながら僕の場合Lサイズでもややきついこともあるのだが、これはややゆとりがあるくらいで、ちょうどいい。ここ10年で手に入れた中では、最も理想に近い1本だった。しかし丈があと2㎝くらい長かったら完璧・・・。業界関係者の皆様、どなたか完璧なるウディ・アレンチノをご存知でしたら、ぜひ情報をお寄せください!