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STORY

横浜『のり蔵』のシュトーレン。


前回、福岡『フランス菓子・16区』のシュトーレンについて書かせていただきましたが、いやいや、関東にもあるんですよ!超マニアックなシュトーレンを提供しているお店が。その名も『のり蔵』と申しまして、場所は横浜元町の中華街の中なんです。

シュトーレンって一般的に年の瀬の期間限定菓子なんですが、『のり蔵』さんの並々ならぬシュトーレン愛は、このクリスマスシーズンだけでは収まらず、1年を通じて季節に応じた具材のシュートレーンを世に送り出してしまうほど強いんです。夏場だったらマンゴーを使ってみたり・・・とかね。そして我が家では、今年なんと3種類ののり蔵スペシャリティーシュトーレンを入手することが出来たんです。

その3つとは、

渋皮栗のシュトーレン、

市田柿と大納言のシュトーレン、

そしてクリスマス・シュトーレン!

実はオーナーのノリさんに、シュトーレンについて、かねてから不思議に思っていた事を伺ってみたんです。それは「焼き菓子が寝かせる程に美味しくなるってどういう理屈なんでしょうか?」これです。発酵食品でもないのに。16区のヴィンテージなんてワイン保存庫で10ヶ月も寝かせているそうですし・・・。

ハイ、ここでノリさんからの正解です。その答えは『具材の熟成』なのでした。アルコール漬けされた様々なフルーツ&ナッツ類がじっくり味わい深く変化し、生地と風味が濃密に一体化して馴染んでいくそうなんです。更に長期保存の為にバターと砂糖の重ねがけで表面に層を作って、適切なしっとり感を保持する技術はドイツ・ドレスデンの伝統手法に法ってるんですね。ノリさんのクリエイティブなところは味の熟成に目をつけ、日本の四季を感じる具材をドレスデンの伝統にぶつけている事だと思うんです。だって市田柿と大納言ですよ!風味だけでなく食感までもが楽しめそうですよね。

『のり蔵』のスペシャル・シュトーレン、今後の更なる具材の発展&組み合わせに興味しんしんデス。ちなみに小林家、2日間で2種完食してしまいました。あまりの美味しさにじっくり食べ進む伝統を守れなかったわけです。なので最後の1種、渋皮栗バージョンだけは味の変化を楽しみつつ、クリスマスの日を迎えたいと思います。それでは皆様、メリークリスマ〜ス!!

横浜『のり蔵』さんのFacebookページはこちら → 「のり蔵」Facebookページ
Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。