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STORY

現実の旅インド【6】まさかのまさか


草野さんのこれまでのインド旅の記事はこちらから。

ホテルからUberで目的地に到着。
看板を見ると営業時間が事前情報と違うが、そんなことでは動じない。立派な邸宅をショップにした外観からは明らかに良いお仕事をしますオーラが伝わってくる。

オープンまで約1時間、とりあえず日陰で待機。

閑静な住宅街の一角、たまに聞こえるクラクションも心地良く感じる。のどかだなーなんて思いながらしばらくすると、まさかの尿意。

海外ではトイレに行くタイミングを気をつけなきゃいけないのに、こんな時に限って、オープンまで30分以上あるしなあ〜、隣には空き地があるけど、立ち◯ョンはさすがにマズイしなーと
道路の向かいに建築中のビル?に駆け込みトイレをお借りした。
ギリギリセーフでホッと一息。

そして待つ事30分、スタッフの方が出社。出来る限りの笑顔で挨拶するけど、怪訝な表情で見られながらの入店。普通にお客だよ!と思いながらも外観からショップのすべてがゆっくりとして心地よい空間がだった。


陳列された商品を見てみると、今迄見てきたプリント生地とは明らかに違う生地が並んでいた。事前情報通りだし、良いお仕事します感は間違いなかった。
陳列された商品を見終わりスタッフの方に、実はプリント生地を作りたい旨を説明すると、オーナー夫人がやってきた。

これは蓮の花が咲いた後の、、、実際の枯れ茎を手に持ち、不忍池の写真を見せながら話が盛り上がってくるとオーナーがやってきた。夫人が要約して一通り説明してくれた後、オーナーは一呼吸おいて時間はある?と聞きつつ、ちょっと来て欲しいとワンブロック先の建物まで車で移動した。

案内されたのは、事務所と縫製工場。そこでストックされていた生地を見ながらプリントの色や今後の流れを確認。縫製場では日本から依頼された女性用の縫製パターンやサンプルが有り、日本人の求める品質も知っているし、輸出も問題無い事をさり気なくアピールされた。

縫製が出来るとなると、色々と方向性が広がるなあーなんて思いながらも先ずはプリントが確実に出来上がるように集中した。
はやる気持ちを押さえつつ前金を支払いたいと申し出たが断られた。きっと私達を信じなさいと言う事だと解釈して、代金は出来上がったら送金するという流れになった。

再び連絡が途絶えたり、何かあったとしても現地に入ればどうにでもなる。昨日がそんな日だったよな、そんなことを考えながら9月の再訪を約束した。

オーナーに見送られつつ予約したUberに乗り込んだ。
アポ無しでの訪問は失礼極まりないと思いながらも、良い人に出会えた!良い仕事が出来そうだ!と心から嬉しかった。昨日は昨日、今日は今日の風が吹くとは良くいったものだ。

早速、お礼のメールをしておけば先方もメールアドレスの入力など手間が省けると思い、拙い英文でメールをしてみたが、待てど暮らせど返事は無かった。
まさか!?と思いながらの帰国。

what’s upでメッセージが届いたのはそれから3週間後。

ふ〜〜。

修行、修行。

写真上のサンバルというスープ、スパイスとほんのり辛さが効いていて毎朝いただいても飽きない味。


<草野さんの「現実の旅インド」、これまでの記事>
現実の旅インド【その1】
現実の旅インド【その2】
現実の旅インド【その3】
現実の旅インド【その4】
現実の旅インド【その5】
<インドへの旅、そのきっかけは?>
妄想から現実の旅インドへ1
妄想から現実の旅インドへ2
妄想から現実の旅インドへ3
妄想から現実の旅インドへ4
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。