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家籠りにちょうどいいアイテム空想マイブーム。

家籠りの王道といえばネトフリ、ファイヤーTVなどの無限映画鑑賞、もしくは買ったけどやってないRPGゲーム??はたまた読書・・・とまあこんなもんですよね?
これら全てに共通するのが、
己の思考を止め、
知らない世界に半ば強制的に連れて行かれる事を良しとし、
身を委ねて時が過ぎるのを俯瞰しながらも敢えてあらがわず、
面白ければ俺の選択のおかげと自賛し、
つまらなければ製作者のせいにして舌を打つ、
うーん、そんな概念。
そうなんです。それって、ひと昔前の機内食後の全員強制映画観賞のような状況が無期限で続くカオスと酷似してますよね。もう現実逃避するにも逃避先が見つかりません・・・。
そんなある日、ソファーでうとうとしかけた夢枕にボクのおばあちゃんが突然現れ、小学生だった頃、ボクにしばしば話してくれたアノ事を再び語りかけてくれたんです。『マナブ、本を読みなさい。文字から風景を想像しなさい。言葉から世界を想像しなさい。話し言葉から相手の気持ちを読み取りなさい。ただしマンガはダメ。絵があると自分の世界を空想できないでしょ?だから1冊でも多く本を読んで頭の中に自分だけの世界を作りなさい。読書はその空想の練習なの。』おばあちゃん、この教えはジョンレノンより早かったね。
小学校の先生だったおばあちゃんは厳しかった。勉強をみてもらった後、リプトンの黄色に赤の紅茶とマミーのビスケットか不二家のドーナツを必ず買っておいてくれていた。そいつを食べながらいつもこんな話をいつもしてくれたおばあちゃん・・・。でもダメなのです。53年間頑張っても1ページ本を読むと椅子に座っていられなくなるんです。S.スピルバーグもトムクルーズも同じらしい。しかしそんなボクでもおばあちゃんの教えは角度を変えてボクの体の中にイイ感じで染み混んでいるようです。例えばこの人MARTIN PARR 。写真家集団マグナムに所属しながらも世界のくだらないもの、意味不明な物、全く狙いがわからない絵葉書など、日本ではみうらじゅんさんが築き上げたあの世界観を、世界を舞台でやっている世界の巨匠の究極の2冊組が今、目の前にある。バカ絵葉書と下らないオブジェクト写真集・・・おばあちゃん、これをみていると教えの意味がわかる気がします。情報が欠如した絵葉書は見る側の空想の余地があるんですよね。完成度の低いフィギアからは本来の正しいあり様、いや、このダメな感じの方が逆に心を打つぞ的な葛藤を感じさせる作用が満載なんですよね。おばあちゃん、真理はこの事だったんですね。行間を読む、背景を察する・・・そんな空想観察眼を写真作品や現代美術からはビンビンに感じてしまうんです。読書はダメだったけど、対象物を空想する余白さえあれば、ボクは決して退屈いたしません・・・。