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いま気分のジャケットフレンチシックにツイードを

まさか自分がエディ・スリマンにグッとくる日が来るなんて、思いもしなかった。クラシックなファッションカルチャーに対して無関心に見えた彼が、この秋大きくシフトチェンジ(LVMHグループからの強烈な要請があったというウワサもあるが)。彼がディレクターを務める新生「セリーヌ」の2シーズン目は、1970年代後半のKENZOとかサンローランを彷彿させる、めちゃくちゃハンサムなフレンチトラッドだったのだ。当時のシティポップ系アーティストも、みんなこんな格好をしていたような気がする。トレンチコート、ガンクラブチェックのツイード、グレーフランネル、ロングブーツ、ビット付きのベルト、フライトジャケットetc.もう大好物ばかりである。
メンズに関してはいまだロックテイストのワードローブが多いのだが、それでも今季は僕が着られそうなクラシックなアウターが散見。なかでもガンクラブチェックのツイードジャケットはナロウラペルながらゴージ位置が低く、シルエットも絞りのないボックス型。ツイードなのに英国カントリー臭は皆無なのである。値段は30万円オーバーだが、こんなのをホワイトジーンズやブラックのタートルネックセーターに合わせたらさぞ格好よかろう。ついに僕にもエディに袖を通す日が……こ、来ねえ! 50サイズを着てみたところ、肩や身幅には十分余裕があるのに、アームホールが異常に小さくてまったく体が動かないだ。普段46のジャケットを着ている先輩エディターにも試してもらったのだが、彼が着てもアームはピチピチ。噂には聞いていたが、まさかここまで客を選ぶ服だとは思わなかった。皮肉抜きで、その姿勢には清々しさすら覚えてしまうよ。
そんな経緯で「セリーヌ」に振られてしまった僕が、今季買ったのが「マーガレット・ハウエル」のツイードジャケット。ガンクラブチェック、ナロウラペル、ローゴージ、ボックスシルエットという点までは「セリーヌ」と共通しているのだが、こちらはファットな僕でも楽に着られる中庸な仕立て。それでいて値段は8万円程度と、お財布にも優しいのである。こっちにしといてよかった!
とにもかくにも今季のツイードは、フレンチっぽく着るのが格好いいよね。