昨年からの継続モデルで4ツ釦のダブルブレスト、3パッチポケット。日本が誇る名ファクトリー・リングヂャケットの中でも手縫いとミシン縫いを程よく使い分けたマイスターライン製の一着。これにハリスツイードを乗せてメタル釦を付けた。メタルの4ツ釦ダブルブレスト、パッチポケットというと、なんだかニューポートブレザーみたいだが、強いショルダーラインと鋭いウエストシェイプ、ヒップがきちんと隠れる着丈の長さに深いサイドベンツが入っているので、所謂アメリカンスタイルの印象は皆無。むしろ英国的。で、ツイード生地はブラックウォッチを選んでみた。ミリタリータータンでもあるブラックウォッチはブキャナンやスチュワートなどに比べ特定の氏素性を連想しづらい気がするので、すっきりと都会的に着こなしやすい。全体がダークトーンなので明るいペンが切ってある多色使いのタータンよりもアーバンに見える。メタル釦にはエンブレムが入っていないドーム型を選び、さらに匿名性を追及した。タートルネックのニットやチャコールグレーフランネルのパンツ、黒スエードのモンクストラップなど、ちょっとフレンチっぽいムードで合わせると普通にイマっぽくなりそうだ。英米ブレンドのジャケットをフランス風味で着こなす、というツイスト感が2019年的だろうか。
が、多分僕の場合はこのジャケットに迷彩柄の軍パンやベルボトムのデニムパンツを合わせたりしてしまいそうで、ちっともイマっぽくなれなそうだから、購入するのに一寸二の足を踏んでいる状態だ。もちろん、それはジャケットのせいでは全くない。むしろ典型的なディテールの組み合わせを少しずつズラシながら企画した余白だらけのジャケットだからこそ、コーディネート欲を掻き立てられるのだ。裏を返せば「特定の型にはまりたくない」というヒネクレ大人にこそ着て欲しい一着に仕上がっている。自由に楽しんでもらえたら嬉しいし、別にボンデージパンツと合わせたってかまわないと思う。「都会に似合う」とはある意味で「イージーな洗練の虜には決してならない」ということなのだ。たぶんね。
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