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2020春夏をさきどり「ズボン堂」のリアル70'sなフレアパンツ

ここ数年のマイトレンド、レイト70’s。今まで「テーラーケイド」や「ラクア&シー」でビスポークスーツをつくったりしてきたのだが、世間のトレンドは80’sまっさかり。レディメイドの洋服でグッとくるものがなかなか見つからない。最近ではグッチやセリーヌのコレクションがそういった方向に舵を切っていて、非常に気になっているのだが、かなり高価だし、そもそもサイズがない! さすがに43歳にもなって全身古着でそろえるのもリスキーだし、となると80’sスタイルの終息を待ったほうがいいのかな?

なんて考えていたところ、偶然通りがかったのが本郷の菊坂通り沿いにある「ズボン堂」。こちらは60年以上の歴史を誇るパンツ専門店で、リーバイスやファーラーのデッドストックを大量に所有している、知る人ぞ知る名店。・・・なんて噂だけは聞いていたのだが、実際に入るのは初めてだ。 
店内には1970年代〜80年代を中心としたリーバイスやファーラーの膨大なラインナップに加え、1980年代後半ものと思しき、アルマーニ風のトラウザースも並んでいる。これはまさに宝の山! ここならまさにレイト70'sなフレアパンツが手に入るのでは? しかし店内を漁り回っても、在庫は29〜30インチ程度がほとんどで、僕のサイズがぜんぜんない。几帳面そうな店主曰く「お客さんみたいな年齢の方が多いから、大きいのはほとんど売れちゃったんですよね」とのこと。

ほぼ唯一残っていた34インチのフレアパンツが、写真のリーバイス。1976年から展開していた『movin' on』というラインのデッドストックである。ヒップポケットに合成スエードの装飾がついているが、当時はこの形状にちなんで「ウィングチップ」と呼ばれていたらしい。すそ幅は約26㎝(丈を切らなければ27㎝くらい)で、ひざ幅24.5㎝。『646』よりは控えめなフレア具合で、まさにイメージぴったりのシルエットである。1万4000円という価格は古着屋さんと較べると高価に思えるが、未使用品と考えると、なくはない。このお店や店主のキャラクターにも惹かれて、購入することにした。
コーデュロイとはいえきれいなスカイブルーは、春先にネイビーブレザーやサファリジャケットと合わせるとぴったりだろうな、なんて目論見のもとに入手したのだが、その後の世の中の状況は皆さんもご存知のとおり。外出もはばかられる時代になってしまった。僕もしばらく不要不急の外出を控えていたところ、恥ずかしながら34インチですら厳しいウエストに・・・。思い切りお洒落を楽しめるときに備えて、もうちょっと腹筋を鍛えねば。