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傍にある本時代に中指立てるような雑誌が好きだ

今やスマホのおかげで一日中ヒマさえあればネットの情報を取り込んでいる時代。多種多様な知識を得て、一億総情報強者!! になるかと思いきや、寧ろ我々の見識は狭くなってしまっちゃいないだろうか。SNSで話題のニュースや検索上位の数ページの情報だけで、限られた知識欲のキャパシティを満たしてしまいがちな日々である。
そんな時代だからこそ、各々の主張を確かに持った紙の雑誌たちには期待するところが大きい。当サイトでご一緒させていただいている山下英介さんらの『MEN'S Precious』は、トラッドというどうしたってマンネリ化しそうなスタイルを貫きながらも、いつも斬新かつ変態的な目線で “モノの愛で方” を教えてくれるから本当に凄いと思っております。
そしてまた、昔の雑誌を読んでみるのも楽しい。“男のお洒落” が一般的でなかった時代の『MEN'S CLUB』や『平凡パンチ』はやはり尖っているし、憧れのアメリカにようやく手が届き始めた時代の『POPEYE』は、スタッフ全員の足で稼いだような新発見でいっぱいだ。また昔の雑誌となると、女のコ向けのだって照れくさくなく読めちゃうわけで、80年代リセエンヌ期の『Olive』はいつだってサイコー!とにかくロマンティックで可愛らしい雑誌だけれど、男性社会的価値観からの逸脱をスレない・コビない方向性で示した意義とその影響力は、日本のファッション誌の歴史において特別な位置にあると思う。
そして今、昔の雑誌をたどるなかで最も気分なのが80年代初頭の『anan』だ。週刊化の前後辺りで、貝島はるみさんがメインのスタイリストだった頃。毎号斬新な提案があり、世の流行をアジってる感が凄い。今回画像で紹介しているのはまさにその頃のもの。内容としては、ホコ天や数々のブティックが盛り上がりを見せる一方で、個性的だったはずの原宿ファッションが均一化されたり悪趣味に陥っているという警鐘である。この一冊で、竹の子族からブランド信仰まで全てをブッた切り。今なら炎上案件間違いなしのドキドキ感である。それまで散々「原宿に集まれ」と煽ってきた同誌としては究極の掌返しだけれども、そういう事をさらりとやってのけるからこそ、長年読者をリードしてこれたのだろうと凄く納得してしまうのだ。
自己啓発ビジネス書もどきの夢のないファッション本が幅を利かせ、またネットメディアにも思いのほか堅苦しさを感じる現代。だからこそ、やっぱり紙の雑誌にまだまだ期待しちゃうのである。

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