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傍にある本ニアミス写真集

「よく本を読む人」に比べたら、いまや全然読まない部類に入るくらい読書量が大したことない鶴田です。人生において一番本を読んだのは小学生の頃かもしれません。児童文学から怪奇小説、歴史モノまで幅広く読んだ気がします。昼は図書館に通い、夜は親が買い与えてくれた(児童向けの)名作文学集を読みました。ケストナー、トウェイン、シェイクスピア、ユーゴー、ルブラン、ドイル、ポー(勿論、江戸川乱歩も)まで…心が踊り、恐怖し、涙した記憶があります。子供の頃に感受性を刺激され、想像力を掻き立てられ過ぎたせいでしょうか?17歳で読んだ「罪と罰」や、24歳の時に読んだ「路上」にはちっとも心が動きませんでした。一方、13~4歳頃から本格的に高まるファッションへの興味。四十路になった今も、読み直して「やっべ~、これカッコいい~」なんて思えるのは写真集だったりします。俄然、想像力を掻き立てられます。ストーリー性の高いファッション写真や、リアルだとはにわかに信じがたいポートレイトを見ると胸が高鳴るわけです。20代に出会い、ドキドキした写真集は「Jocks and Nerds」やRay Petriの「Buffalo」、つまりLate80'sの世界。(当時小学生だった)僕がギリギリ間に合わなかった時代のファッションに魅了されたのでしょうか?「Jocks~」は20世紀のメンズファッションを総括した内容ですが、1990年発行なので視点が完全に80's。各Amverの皆様は、僕より(少しだけ)お兄さんなので、このパワフルな時代をリアルタイムで体験されているハズ。1978年生まれ90年代育ちの僕は「羨ましいな~」と思いながらも、いや待てよ。これは只の無いモノねだりだろうな、と。会社の10歳上の先輩達が口を揃えて言うのは「リアルタイムで経験しすぎて、ソコ(80's)には戻れない、恥ずかしい」と。これは僕が「90年代風ファッションなんて、今さらできない」のと同じです。微笑ましく、むず痒く、ほろ苦い記憶として一生残り続けるリアルタイム。一方で、あこがれなんてものは、決して触れることができないプラトニックなものであり続けるからこそ美しいのかもしれません。